宇宙のことが心配です

好きに色んなことを書きます。日記が中心です。本、映画、漫画、アニメなどで暇を潰す事が多いので、その手の感想も書くかもしれません。

映画「グッドフェローズ」を見た

 

ネタバレ無し

 

午前十時の映画祭で上映していたので、見に行った。

 

評価が高いらしいが、ぼくはあまり好きではなかった。ただ、完成度は高いのは間違いない。実話を基にした作品らしく、マフィアになった主人公や、その友人らには、モデルがいるようだ。

 

実話を基にした映画だとわざわざ告知するのは、見ているものにこんなことが本当にあったかもしれないと現実感を与えるためだと思う。でも、ぼくはそういううたい文句の映画を見るといつも、逆に現実感が無いと思ってしまう。この映画も同じだ。なんというか、この映画は、あくまで映画だという感じがぬぐえない。

 

何でだかはうまく言えないのだが、たぶん、人間があまり描けていない感じがするからだと思う。主人公は、若くして、マフィアに憧れて、その道に入った男なのだが、映画の中では基本的に、定職について普通に生きていくことを馬鹿にしている。確かに、マフィアに憧れているのだから、そういう考え方をするのはもっともらしく、実際にそうなのだろうとも思うのだが、どうも映画内でのキャラクターの描き方が単純な気がしてしまう。現実の人間というのは、もっと複雑な心理を抱くものではないか、という疑問が湧いてくる。ぼくがこう思ってしまうのは、小津安二郎とかと比べてしまうからなのだが、やはり、小津安二郎の深い人間の描き方と比べると、この映画は単純に思えてしまう。

 

あと、これはただの苛立ちであって、映画を否定する理由にはならないのだが、主人公の考え方が気にくわなかった。普通の生き方をしていくことは、いいことではないか、と思うぼくは、この主人公とどうしても敵対した。主人公の生き方を見ていると、苛々させられた。マフィアってくだらねえなと思った。映画製作者の意図がどういうものなのかわからないが、もしマフィアという人種を賛美する意図があったとしたら、心底、馬鹿馬鹿しいと思う。

 

もともと、マフィア映画はあんまり好きじゃない。真剣な殺人シーンとか、あんまり見たくない。だから、今回、この映画を見て、やはりこの手の映画は自分とは相性が悪いようだと思った。