自作詩「ハムスター」
ハムスターがカラカラと、車輪を回している。
同じところでずっと、走り続けている。
俺は何だか可哀想になって、
愛らしくなって、ハムスターの
頑張りを眺めている。
ああ、ハムスターよ。
俺はもう今日は、くたびれてしまったよ。
でも、お前は元気だね。
お前は元気に、走り回っておくれ。
俺は気づいているよ。
お前の車輪が、草原ではないことを。
果たして、お前は気づいているか。
何だかおかしいな、などと思っているか。
俺は、人差し指のすきま風で、
ハムスターの檻をそっと開けた。
ハムスターは俺のことなど気にせず、
休んでは、駆け出しを繰り返した。
俺はまた、扉をそっと閉めた。
ついでに瞼も閉めた。