自作詩「矛盾」
どいつもこいつも、
矛盾ばかりを抱えてる。
あいつはあんな矛盾
その隣はこんな矛盾
口を開けば矛盾
矛盾を突けば矛盾さ
この世は矛盾に、
見張られている。
しかし、かと言って、
黙ってるわけにもいくまい。
黙ったら、大事な心の中までも、
矛盾の寒さは忍び寄ってくる。
だから、矛盾の空の下、
砂を巻き上げ、駆けずり回るしかない。
他人の矛盾は狂って見える。
何をそんなに悩んでいるのか。
アホらしくさえ思える。
しかし、きっと誰もが、
そんな矛盾を抱えて、
駆けずり回っているんだ。
それに、俺もまた、明日から、
駆けずり回らなくてはいけない身だから。
俺は、矛盾の側で、焚き火でもしてるよ。
別に不自由だとは思わない。
何はともあれ、俺は生きてるし、
ここまで長いこと、歩いてきたんだ。
長い道・・・、広い世界さ。
どうせ、少し走ったら、
疲れるんだし、俺には充分さ。
この矛盾・・・、少なくとも、
駆けずり回る広さはあるんだからね。