最近読んだ本の感想
カフカ寓話集(カフカ)
一ページしかないような作品もある。
断食芸人は一番わかりやすく面白かった。
ある学会報告と巣穴、掟の問題、歌姫ヨゼフィーネなどが印象的。考えてもわからないくらいに難解だが、何か現実の一部分を感じさせるような意味深い文章が並んでおり、どうしたって考えてしまう。そんな癖になる面白さがある。
ある学会報告で、人間になったサルが、「自由よりも出口の方を求めたい」と言っている。これの意味が分からす、どうも頭に引っかかった。ある日、ふと思いついた。サルは、所詮人間が言うところの自由というのは、動物園の柵内を歩き回れるという程度のものに過ぎないと言っているのではないだろうか。そして私は、そんな自由ではなく、柵からの出口を欲するということではないか。
カフカ短編集(カフカ)
流刑地にてが印象に残った。すごい話を書くなと。
中年男ブルームフェルトも面白い。ボールが二つ追いかけてくるのは、何なのだろうか。色々考えられそうである。
しかし、やはり難解。それでよくわからないので忘れてしまい、印象に残る話は少なかった。個人的には、寓話集の方が分かりやすいものが多かった。
第一次世界大戦
第一次世界大戦について、比較的短くまとめた本。解説によれば、これだけ短くまとめられるのは天才の所業とのこと。短いのだが、その分、一文が表す内容が濃くなっており、じっくり読んでいく必要はある。細かいことは記憶に残らなかったが、大まかな流れだけは分かったので、読んでよかったと思う。
図説第二次世界大戦
第一次世界大戦を読んだので、こちらも読んだ。長編は時間的にも気力的にも厳しいので、図説でざっくり把握しようと考えた。今まであまり知らずに、ヒトラーという名前だけを知っていたが、この人がしでかしたことは衝撃的だった。ヒトラーを扱ったコメディ映画なんかもあり、何気なく見た記憶があるが、今はもう笑えない気がする。ギャグにできないほどのやばさを感じてしまった。戦争はよくないなんて思っていたが、今まではたいして知りもせずに盲目的にそう思っていた。もちろん殺しあうということを想像するだけで、そのひどさはたやすく理解できるのだが、この本を読んで、殺し合い以外にもさらに非人道的でひどいことが行われるというのが分かり、改めて戦争ってまじもんの地獄だと思った。今の時代も今なりの苦しさはあると思うが、この地獄に比べれば良いということだけは、間違いない。しばらく憂鬱になった、
カポーティ短編集(カポーティ)
ティファニーで朝食をは、読む気が途中でなくなり挫折したのだが、この短編集はよんでいけた。楽園への小道はユーモラスで面白かった。そのあとは、旅行記のようなものが何個か続いていたが、これも楽しめた。こちらは話が面白いというよりは、異国の情景描写やそこで生活するアメリカ人としての旅情が、心地よかった。無頭の鷹は異色に感じた。ティファニーで朝食をを読んだときは、あんまりという感想だったが、どうやらこちらに読む気力が足りなかっただけのようだ。今になって読んでみれば、普通に面白い。
ナインストーリーズ(サリンジャー)
- 作者:サリンジャー
- 発売日: 1974/12/24
- メディア: 文庫