宇宙のことが心配です

好きに色んなことを書きます。日記が中心です。本、映画、漫画、アニメなどで暇を潰す事が多いので、その手の感想も書くかもしれません。

映画「脳内ニューヨーク」の感想

映画「脳内ニューヨーク」を見た。100/100点

チャーリーカウフマンの初監督作品で、この人の作品が好きなので、前から見たいと目を付けていた。

<あらすじ>

ケイデンはニューヨークの劇作家。

原因不明の病気を宣告され、嫁と娘には逃げられる散々な人生を送っている。

そんな中、彼は舞台で天才賞を受賞する。

大金と名誉を手にいれた彼は、ニューヨーク自体を再現するという誰も見たことのない大規模な舞台を上演することを思いつくが・・・。

<感想>

チャーリーカウフマンの映画の中でもこの映画はかなり面白かった。それどころか今まで観た中でベスト10に入ると思う。この映画を知らなかったことが残念なほどだ。ただ、引き目で見るとこの映画は万人受けしないと思うので、100点であることはあまり参考にしない方が良いかもしれない。

話は結構ややこしい。人が結構出てくる上に、年を取っていくので誰が誰かもわかりにくい。ちゃんと筋を追っていくためには人の名前をしっかり覚えておかないといけない。わたしも始めとりあえず一回見たのだが、よくわからない所が多かった。そこで何回か巻き戻して見直した。それで初めて話の筋は分かった。

話がややこしくなるのは、ケイデンがニューヨークを再現する舞台を作り始めるところからだ。もっというと、ケイデンとその相方ヘイゼルが、自分自身を役者に演じさせるところからだ。つまり、舞台上で舞台を作成していく様子が描かれるということになる。劇中劇中劇というわけだ。ここからこの状況を楽しむかのようにややこしい場面が続く。例えば、ケイデン役の男がヘイゼルに恋をしてしまった時、ケイデンがこう言う。「おまえ、俺を演じているのなら、ヘイゼル役の方に恋をするべきだろう!」(現実のケイデンはヘイゼルに恋愛感情を持っている)また、ヘイゼル役の女がケイデンに「ヘイゼルだったらこう感じるはずだ」と舞台について意見を言うのだが、それに対して、ヘイゼルが「いや、わたしはそんなこと感じていない!」と言ったり。・・・書いていてもあまり意味が分からないが、まあこんなややこしい話が続くのだ。ケイデン役の男を演じる男が出てきてしまう場面すらある。

途中までみたところで、この話どうなるのかと思う訳であるが、話は予想もできない方向へ流れていく。滅茶苦茶な話かと思いきや、ちゃんと含みを持って、良い話になっていく。最後は、残酷さとユーモアを掛け合わせたような面白い終わり方をする。見終わった後で思ったのは、よくこんな話思いつくなという感想。ほんとにすごいと思った。センスにあふれている。