宇宙のことが心配です

好きに色んなことを書きます。日記が中心です。本、映画、漫画、アニメなどで暇を潰す事が多いので、その手の感想も書くかもしれません。

映画「ブレードランナー」の感想

映画ブレードランナーを見た。

昔、原作である「電気羊はアンドロイドの夢を見るか」を読んで、面白かったので、本映画には興味があった。

本映画に点数を付けるとしたら、75/100点くらいだろうか。

 

<あらすじ>

近未来の話。

地球は環境破壊により、住むべき場所ではなくなっている。そのため、人々の大半は別の星へ移住している。

そして、新たな星の開拓のために、レプリカントが過酷な労働に従事している。

レプリカントというのは精巧に作られたロボット?であり、その最新式であるNexus6型は知能が高く、あまりに精巧なため、ほとんど、人間と区別がつかない。

そのレプリカントが労働を逃れるため、別の星から地球へと逃亡してくる。

主人公デッガードは逃亡してきたレプリカントを討伐することになる。

 

<感想>

原作を読んで、本物と人工的なものの判別がつかなくなってくるところが面白かったのだが、映画ではあまりその面白さは感じられなかった。

例えば、Nexus6型のレプリカントとして、ある女が出てくるのだが、この女は自分がレプリカントだと気づいていない。主人公は判別のため、彼女をテストするのだが、その時も彼女は本気で自分が本物の人間であると主張する。小説ではこのくだりで、読者を騙す仕掛けがあって面白いのだが、映画ではけっこうあっさりしていた。この辺りが、期待してただけに、残念だった。

さらに、小説では、主人公が自分の方が実はレプリカントなのではないかと疑い出すという場面もあったりして、結局本物と人工的なものの境界ってどこにあるんだ?という哲学的な話にもなってくる。これも映画では、感じられなくて残念だった。ただ、じゃあ小説のこれらの要素を映画でも表現できたかといわれると、それも厳しいかなと思うので、仕方がないという感じはした。

面白かったところもある。近未来の街のイメージはよくできていて、いいなと思った。高層ビルが立ち並ぶ都会なんだけど、どこか荒廃しているような近未来のイメージ。この映画はそういうイメージの草分けでもあるらしく、そう思ってみると感慨深いものもあった。ところどころで日本も登場する。日本人の店員が日本語喋ってたり、看板に日本語を崩したような文字が書かれていたりする。街のイメージとして、歌舞伎町を参考にしたらしく、どうやらそのつながりらしい。

こういう見どころはあったので、見て損ってことはなかった。まあ、普通に良かった。けど、原作読んでたので、期待を下回った感は否めない。ので、75点。

あと、もう一つ気になる点。これは考えすぎで、面倒くさい話になる。個人的にロボットなのに感情があるというのが、ちょっと想像しにくい。百歩譲って、感情も脳みそのなんらかの働きだとして、それを再現することができると考えれば、納得できなくもない。だが、そうなると、他の生き物に対する共感というのも再現できてしまいそうな気がしてしまう。(原作では、レプリカントと人間の境界は、共感できるか否かにあるということだった)つまり、感情まで再現できるほど、人間に近づけるのであれば、もう差は完全に無い気がしてしまう。感情を再現できて、それでも人間と違うということがどういうことなのか、想像がうまくできない。そこが、原作も含めて気になってしまうところ。かなりどうでもいいが。