宇宙のことが心配です

好きに色んなことを書きます。日記が中心です。本、映画、漫画、アニメなどで暇を潰す事が多いので、その手の感想も書くかもしれません。

映画「エターナル・サンシャイン」の感想

エターナル・サンシャイン」を見た。おもしろ点数:90/100点

<あらすじ>

ジョエルという男がクレメンタインという女と付きあっている。ある時、喧嘩をしてしまい、衝動的なクレメンタインはジョエルについての記憶を消す手術を受ける。それを知ったジョエルはショックを受け、悩んだ末、自分もクレメンタインの記憶を消すことにする。

<感想>

チャーリーカウフマン脚本の作品で、この人の作品が好きなので、前から見たいと目を付けていた。

まず、ジョエルを演じている男がジムキャリーで、軽く驚いた。パッケージからはジムキャリーだとははっきり分からなくて、見始めてから気づいたのだ。ジムキャリーは明るいキャラクターを演じるイメージなので意外だった。この映画の主人公ジョエルはチャーリーカウフマンよろしく陰鬱な男だ。多分、今まで見たジムキャリーの中で一番暗いんじゃないだろうか。ただ、暗いとは言っても、この映画にジムキャリーは結構似合っていると思う。暗いとは言っても、チャーリーカウフマンの映画はコメディだし、根が優しい雰囲気が似合っていた。

チャーリーカウフマンの映画は大抵、現実と頭の中の世界がごっちゃになってくる。だから途中で訳が分からなくなってくる。この映画もその法則に外れていない。ただ、比較的話は追いやすく、一回見ただけでも大体理解できる。映画の仕掛けとしては、「インセプション」とかに近い。人間の夢や記憶の世界が映像になって流れてくる。だから、現実ではありえないことが突然起きたりする。また、現実世界と夢の世界の話が並行するため、始めはどっちが現実で夢か分からなくなったりする。そこが面白い。よくわからなくて戻ってみると細かいところに伏線が張られているのに気づいて、また面白かったりする。そんなこんなで注意してみていると、すごく話が精緻に練られていることが分かる。ちなみに「脳内ニューヨーク」が特に複雑で面白いと思う。

チャーリーカウフマンらしい分かるようでよく分からないシュールな雰囲気は、この映画でも漂っている。「ハァイ!」「ん?・・・なんか言った?」「・・・ハァイって言っただけ」とか。不自然なような自然なようなよくわからないやり取りだが、この独特さがすごくて、癖になる。チャーリーカウフマンの映画内のキャラクターは下品で適当であほらしいのが多いのだが、それでいて知的な雰囲気があるから不思議だ。下品な言葉すらも全く意味がないわけじゃなくて、どこか意味があるように思わせてくる。

この映画は、嫌な記憶を消していく中で良い記憶も消えていくということにジョエルが気づくところから、また話が盛り上がっていく。感動的な場面もある。盛り上がった後にも話がまた続いて、どうなるのだろうと話を追ってしまう。そんな感じで話がよくできている。とても面白かった。